New Year's Eve (福岡のこと)

 

年が暮れる。

 

なにかしら振り返りをば…と思ったが大して言うことも思いつかない。この前行った福岡のことを書く。

 

成田→福岡で2時間半くらい?タランティーノの『パルプ・フィクション』を観ながら移動。

ここ最近、長距離移動の間に映画を観るのがブーム。気になっていたものの全く流行のタイトルではない、っていう作品が主だな。ブームというか、腰が重くてこんな時しか観ない。

映画の中身はそこそこ…『イングロリアス・バスターズ』のほうが好き。黒人系の人の撮り方が綺麗だったよなあ。というか、この「短編集で、時系列をシャッフルして配置する」手法の"祖"ってことなのかな。それを知らんで見たから、有り難みを分かってなかったのはある。本質的な面白さとは関係ないけど。

 

福岡空港に着く、そのままさっさと天神の市街へ。徳島とか北海道に比べて、空港と中心街が近いのは良い。

博多ラーメンの有名店らしいShinShinへ。店内のサインに馴染みの深いロックバンドのそれが多かった。思いつくような人たちは大抵あったのでは…というのは大袈裟か。地元のイベンターが紹介するのかな。

 

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高菜ラーメンに紅生姜のせ。

二大で好きな漬物?だ。スープのコクと合ってうまい。

腹ペコだったので替え玉も視野に入れていたが、一杯でしっかりお腹いっぱい。替え玉って昔のほんとに締め専門みたいなラーメン屋の文化であって、今や一杯で十分な量にしてるのでは。

 

東横インに荷物を置いて福岡市民会館へ。go!go! vanillas、小山田壮平the pillowsのスリーマンイベント、NEO LAND case 0を観る。

こういうホールのライブは見やすくて良い…転換も座れるし。そして席が最前だった!完全に最前ってもしかすると初めてだったかもな。バニラズ柳沢さんの女になった。

 

市民会館を出て極寒を歩く。予約できた博多水炊きの店が遅い時間だったので、まず屋台で一次会。ホルモン焼きとおでんなど。そこから水炊き。ラストにもう一回別の屋台でおでんと熱燗。

 

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水炊きの華味鳥。いやー美味かった。鳥の味が濃い。水炊きのスープに漬け込んだ唐揚げもすごい、オーソドックスな唐揚げで圧倒的にNo. 1の旨さではないか?

長崎でも思ったけど、ものすごくデイリーに食べる好きなものがさらに美味い、っていう旅先の飯が好きだな。

 

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三軒目の屋台。こんなのが町のその辺にある。見た目ほど中に入ると寒くはなかったかな…。

店主の人柄もあってたいへん気持ち良い時間。途中現れた、大阪からクリスマスに鈍行でここまで来たという男子学生4人もなんというか可愛らしかった。火傷しそうな熱燗のコップ酒を3、4杯飲んで、すっかり長居したことをへらへら謝り退散。ホテルで即座に寝る。

 

翌日はなんとか起きて(同行者に起こしてもらって)近隣のスーパー銭湯と、食べそびれた博多餃子を食べにテムジンという店に。これがまためちゃくちゃにうまい。

ひとくち餃子というフォーマットがまず好きなんだけど、皮のモチつきと野菜味の強い"あん"のうまさと言ったら。野菜味で飲む酒が1番美味いのよな。昼の締めにもかかわらず、また3,4杯しっかりそば焼酎ソーダ割りなどを飲んで帰る。TVでやってた かしいかえん 閉園の番組もよかった。

 

極寒の中、東京に帰宅。即座に寝る。

 

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あと最近は、音楽劇「海王星」をみた。圧倒的な美に、翌朝まで頭がじんじんとする。

寺山修司は編集者である、という言葉の通り舞台空間の全てが、音楽も含めて完璧に配置される快感。

伊原六花さんの、終盤に覚醒するような演技も素晴らしかった。レヴュースタァライトに続いてこんな感動を年に2回もできるとはね。

 

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仕事はいちおう明日の元日までにやらねばならぬことは何とかなった。そのあとは…まあその時にやりますわね。

 

この1年で本当に大きな動きがあった。というか未だその大きな動きの中にいるわけで、あまり感慨とかを感じる前に年が暮れたかな。振り返りに使う脳みそが残らなかった!

自分の人生にとっておそらくとても大きなことをしたはずなので、時間をとってちゃんと噛み締めたい。一方で、次の舞台へ次の舞台へと急き立てられている自分もまあ悪くはない。今年何回か経験した肉体的、物理的な限界は減らしたいけどね…。

自分の人生が楽しいものになった年だった。それは間違いないかな。

 

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12/31 18:51 渋谷 duo MUSIC EXCHANGEにて。もうすぐ、また今年何度も見た景色が始まる。

会場が暗転して、お馴染みの入場SEが流れる。

ロックバンドが出てくる。大きい音を出す。

終わって帰宅して、間違いなく私は酒を飲む。

 

2021年は大きな年だったようにも思うけど、私は好きなものと人たちを好きなままでいられている。素晴らしいね。

 

ではまた

 

深朝

国立の町を小一時間歩いて電車に乗った。いやあ、寒すぎる。

 

この町に住む最重要な友達が同棲を機によそへ引っ越す、ということで最後のひと花火を上げにいった帰り。もう今後、国立で朝を迎えることもそうないかもしれない。名残惜しくもあり、まあわりかし体力的には適切な判断とも思う。

 

彼の家で『君の名は。』を観た。私は公開当時ぶりだから4,5年越しだったのかな。めちゃくちゃに面白い。これが疑いのない俺のNo.1だし、俺はここに到達するために仕事をしていることを思い出した。

 

そう、俺たちは5年間変わってないんだよ。姿形が多少変わったり、当たり前に歳を重ねたり、まあそれなりに苦悩と過ちがありながら、歩くと決めたはずの道を歩けている。

こっちが「前」だよ。今朝はこのくらい言わせてくれ。

 

さっき学生時代に住んでいたアパートの前を通ったら灯りが点いていた。24時ごろ通った時も点いてたよな? 仕方ないやつが住んでるな。好きだ。

 

歩いている間に空が群青に染まってきた。相変わらず写真に上手く収められないな。

 

蒼い町を眺めて新呼吸

 

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冷麺大作戦

 

久しぶりに上板橋に住んでいたころの大好きな焼肉屋 竜元行った。堪らんぜ。みんな、本当に経済的にも精神的にも元気であってほしい。

学生時代のバイト先は心配していたよりもずっと元気そうで、10周年記念の引き出物的な皿を作って配っているくらいだった。補助金うんたらがまあそれなりに助けになってるらしい。こちらからはキッチンで隠れて酒を飲むための、頑丈で中身が見えないけど、まあ悪くないグラスを渡した。親孝行。

 

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スマブラの最後のファイター追加を見た。すごい。クリエイティブに最大の敬意を払った上で、それだけでは説明できない、めちゃくちゃ優れたサラリーマンの仕事を感じた(サラリーマンという言葉、何かしらでコンテンツに関わるならあんまり使いたくない(共犯関係を名乗りたい)が、まあこういう時に説明はしやすい)。2019年のVIVALA ROCKで鹿野さんが2ステージ併設をやった時と似ている感動。誰かの夢を叶える方法はまだ俺たちの前に転がっている。

 

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電車で斜め向かいのおじさんはほぼ満杯のイオンシネマのポップコーンを横に置いて新聞を読んでいる。買わんでよかったんじゃないかな。連れの子供でもいたんかな。俺はポップコーン食う習慣が全くないから分からんが、目の前のこれは愛嬌はあるかもな。俺の家に持ち替えられたらブチ切れるけど。

 

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今月で26歳になる。25を過ぎるといよいよ冗談じゃねえ歳になってくるな。仕事はそれなりにやることがあって、まあ例外はあれど、それで悲しくなるようなことはない。自分の好きなものがこの世に一つでも増えて欲しいからそれを作る、以上。

 

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ドミニオンスマホアプリのベータ版が出て嬉しい。PC立ち上げるのは怠かったんだよな。とはいえこれ、英語でカード効果を逐一真面目に読むのは疲れるから、いったんPC版の日本語で遊んでからだと楽です(スマホ版は英語のみ……だと思う)。やっぱりドローとアクション追加で回す方が得意で、カード廃棄でデッキ効率化する戦略は下手だ。

 

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俺のクソ好きな北海道在住漫画家、おかだきりんさんの『オカ研』の単行本が出る。嬉しい。

 

ではまた

入眠を!

 

寝れね〜〜〜

 

『逢魔ヶ刻動物園』(堀越耕平)の第1巻を読んで消灯してから4時間半が経ったとは思えん。

 

逢魔ヶ刻めちゃくちゃ好きだよって顔をしてたけどヒロアカで遥かに面白くなってることが改めて分かりひっくり返った。パワハラ・ルフィくずれウサギの内面性は別に魅力的では……キャラデザが好きだったのかな。

ヒロアカ、全部読んで本誌勢になりました。アメコミ流ケレンみ!!!っていう見せ場づくりをする裏側はけっこうロジカルというか、論理のアクロバットで燃えさせる頭脳派なところがいい。

絶対に今後ある展開は、透明人間で通してきた1-A葉隠透が実は(存在を示唆されていた)内通者で、それが判明する回のラストで透明化解除→素顔判明→ラストで話のタイトル出すお得意のパターン(『インビジブル・ガール:ライジング』みたいな題)がある。光線屈折でインビジブル、だから学校のセンサーもくぐり抜けられたというロジック!やってくれ。

 

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あと最近は……細田守みた。『竜とそばかすの姫』。概ね良かったんじゃないか?!少なくとも直近2作品の、劇場を出ながら半笑いで「まあ……XXは良かったね」と頑張って良いところを探す感じにはならなかった。

一番好きなのは7合目あたりに突然長尺でサブキャラのもどかしニコニコラブコメをやるんだけど、やはりここでしか味わえない成分はあるなと思うし、作り手からの「はい!!今回のこの成分はここで摂取しきってね!!」というメッセージがありありと感じられて潔かった。

一応主人公の幼馴染男との恋模様みたいなのもあるんだけど、男の挙動(「頭ポンポン」をします)と上から目線な割にいまいち役に立たん感じが成田凌すぎて(『愛がなんだ』のイメージで言っているので、ご本人は素晴らしい方なんだと思います)面白さが勝ってしまう。

あと一番好きなのは竜の城の装飾ででっけ〜タコがぶっ刺さってるところ!!

 

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最寄駅の床。

確かに究極的には駅としてはこれ以上求めることはないかも。

 

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寝るか!!……いけるか??どっちでもいいわね。

 

ではまた

 

あまりかぜ

家から東方向に大通を15分、キリンのグリーンラベルの発泡酒を片手に歩いた。今から西に15分、さっき買ったレモンサワーを片手に歩く。

 

どうせこういう自死の真似事をするならとっとと済ませればいいものを同居人のいる部屋で散々うだついてから出るのだから何とも迷惑な話だ。

 

ただ生き延びるためだけの日々に閉じ込められた一年前のことを思う。今は状況が違って、ふと冷静になれば自分はこういうことに頭を悩まし続けるために仕事を選んだんだろう、望んだしあわせじゃないか、という自分(なのか?)が現れる。いや、そんな環境にいながら今日1日を怠惰に過ごした自分に失望してるからこんな風に歩いているのだけど。

 

何で物語を届けるのか。新しい物語を。仕事には大義がいる。だって、みんな仕事とセックスの話ばっかりじゃないですか(あとは流行り病)。現実だけで生きたらゲーム構造は収束する。そこで負けたら死ぬのかな。そんな世界でいいわけないだろ。人が人生を賛美する理由はもっともっとあっていい、その多様さを見出すのが物語だ。

 

という大義を掲げながら私は強い物語を世に届けられなかったらもう消えるしかないと思っているのが笑える。生き方の多様さなんて今の私に無い。いま、「今の」を前の文に差し込んだ。こういう小癪さと頭の硬さ、どちらかでもこの大通りの車道に放り投げて粉砕できませんか。

 

シュリスペイロフを聴く。こういう時のシュリスペイロフは良い。アルバムが終わったところでbluetooth イヤホンが不具合を起こしてシャットダウンした。薄情者め!!いや、シャットダウンした後の君の世界に、私にわからない賛美すべき時間があることを祈る。

 

帰路につこうか

pochi pochi

ところにょり さんのゲームを今更ながらプレイしている。ひとまず、「あめのふるほし」「ひとりぼっち惑星」「renal summer」。

 

放置ゲー的な「あめの〜」だけリリース直後に触っていたから余計、残り2作のカジュアルゲーム的な操作感に驚いた。「ひとりぼっち〜」は昔流行ったナメコ採取のゲームのようで、「renel〜」はものすごくオーソドックスなブロック消し。カジュアルゲームのお約束的な動きを別の何かに見立てるアナロジーから物語性を生んでいるのが「ところにょり」作品のすごさだと思う。

 

ひとりぼっち〜 では生物兵器同士の戦いから生じる残骸を集めるわけだが、ゲームを進めるためにプレイヤーは「じゃんじゃん争え!兵器ども!」という気持ちになっていくのがなんとも。しかも同族殺しで消し飛ぶ兵器の姿がこれまた美しい。善悪を超えた感性に働きかけてくる。

 

renal〜は犬の腎臓にできた血液の塊をブロックに見立てている。しょうじき、UI的にrenalはあまり気に入っていない。画面上側に犬、下側にブロックがあるので、ブロック側に夢中になって犬があまり視界に入らないのだ。(私がカジュアルゲームに慣れていないあまり、必要以上にブロック消しに夢中になっているというのもあるけれど……。)

これで最後に犬が死んだ時、「ああ、もっと犬の方を見ておけばよかった」と思うんだろうな。それすら作り手の狙いかも。こわ〜(すげ〜)。

 

そう、私は謎の意地を張って全くスマホ向けカジュアルゲームをやってこなかったので、ところにょり作品の操作がいちいち楽しくて仕方ない。今日はずーっと犬の腎臓を触っていて、心から勘弁してほしい。

遊びと祈り (小宮果穂さんについて)

ゴールデンウィークが終わる。2021年、25歳、窮屈でおかしな世の中、行楽日和と突き刺すような雨模様が交互に訪れた大型連休。私はアイドルマスターシャイニーカラーズに心血を注ぎ込んでいた。

 

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小宮果穂さんのW.I.N.G(アイドルデビューから新人登竜門の大会を扱う章)の話。あらすじ:戦隊ヒーローに憧れるあまり、当初彼女はいかにもヒーロー然としたスタイル(男喋り、毅然とした態度、必殺技云々)でアイドル活動を行う。しかしプロデューサーに嗜められ自然体に軌道修正をすることに。

 

微笑ましいね、くらいの温度感のくだりだが、憧憬に由来するモノマネというのは一般的に切実な話として(少なくとも、私自身の話として!!)目を引いた。たぶん、私はまだどこかで田淵智也に、山中さわおに、志磨遼平そのものになることを望んでいる。それ以外に善く生きる形が思いつかないと言ってもいい。楽譜すら満足に読めないのに!

 

小宮果穂さんの話に戻す。上述の話から時系列的に後のエピソードでも、彼女はしょっちゅうヒーローごっこに興じている。こっちのエピソード群を私は先行して読んでいた。ので、これらあくまで遊びで、自身が本質的に「ヒーロー」になるための戦いは別にある、という冷静な切り分けが12歳の少女の脳裏で為されている(部分がある※)、ということにはけっこう驚いた。そしてその戦いが見つかっているから、遊びもまた、自分の武器にとびきりのバフと個性を付与する祈りとしてきらめく。

 

※いや仕事でも状況次第ではノリノリでヒーロームーブしとるわな……と思ったので足した

 

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小宮果穂さん、元気っ子キャラでありつつも普通に会話のコード進行がオタクっぽくて良い。泣かせるシーンでもあるけど、夜空を観て自分の人生のスタッフロールを夢想するくだりとか。

 

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放課後クライマックスガールズ、小宮果穂さんを楽しませるという言い訳のもとで年上陣が大遊びできるシステムが羨ましい。大人の青春に必要なのは恥じらいを捨てる言い訳だ(有栖川、お前の話だぞ)。そしてそれを小宮さんが200%で楽しむ永久機関

その意味では小宮さんが放クラを求心しているわけだけど、より切実に求心力を求めているアンティーカにいたら過積載で潰れかねないのでよかったよね……。

 

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シャニマスの休憩がてら現実の世の中に目を向ける。VIVA LA ROCKは良い場所だった。飲食スペースは壁に向かって黙って食うので駿台の自習室みたいだったな。

意味のある対策は経済と心が死なない範囲ですればいいと思う。一方で対策を共通言語として、なんだろう、楽しむというか話の種にするような空気に少し触れて不気味だった(ビバラの話ではないよ)。

私のやることは大して変わらないと思っている。明日からまたこれまでの祈りが祈りとして機能するべく仕事をします。