北へ向かえば

 

反社会的な行いなので多少の恐縮をしつつ、北海道に来ている。今は有識者に教わった すすきの のイタリアンバル「TUTTI」に。

 

聞いていた通りパンが異様に美味くて(ガーリックオイル?で二度焼きして焦げじゅわにしている。酒飲みギャングの子供はこれをフレンチトーストと教わって育つらしい)、店主がきわめて適当(立ちタバコしながら金額無記入の領収書を出していた)。非常に良い。適当すぎてグラスワインの値段が不明瞭だが、聞くところでは300円らしい。そうであれ。

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すすきの、ここ1-2年で度々来ている補正もあるが本当に好きな町だ。道は広くて歩きやすく、酒飲むとこと綺麗で安い宿とコンビニにはなかなか困らない。これで気温が常識的な範囲なら移住したいが、この「寒」そのものを一枚肌に纏うような冷え方は厳しすぎる。手袋をローソンで買った。

 

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行きの飛行機から見た山形あたりの風景がたいへん綺麗だった。雲海のあとに見ると、平野にまばらに雪が積もった風景がかえって異化されて感じる。『かげきしょうじょ』に没頭していたので、ふと目を上げて異世界に飛ばされたのかと慌てた。

離陸のとき、あーこのまま墜落したら自分は特に身を守らず「はい、おしまい」を受け入れにいくかもな、と思った。かといって率先して飛行機の窓を破壊して飛び降りはしないが。この手の要らんことをたっぷり考えるヒマと空気も良い。

 

ではまた。