あの街に風吹けば(たとえば石狩に)

去りし8月12日から14日、北海道は石狩市にてライジングサン・ロックフェスティバルに行ってきた。

 

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北海道はここ数年でわたしにとってたいそう特別な意味をもつ土地になったように思う。縁もゆかりもないところなので、言われる側もこんなに大仰な言葉を使われても失笑ものだろうが、自分にとっての自由を噛み締める場所なのだ。あの場所は。

 

2020年の真夏、世の中がおかしくなり始めて間もない頃に札幌に行った。もちろん(ではないのだが)ライジングサンは開催見送りで、県を跨いだ移動にも白い目を向けられる時勢だったが行った。

元々期待していたライジングサンが無くなった数日間の滞在でやることと言えばひたすらに酒を飲み歩くことと、宿に戻って酒を飲むことだけだったが、その幸福といったらなかった、と思う。

これは自由意志の話だ。この自由を選んだ自分、そして一緒に行った仲間は、いわゆる「信用できる」というやつなのだ。そして、きっとこの時にわたしがこれから何度も北の大地に行く理由は、どうしようもなく決まってしまった。

 

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とはいえ「自由だ!」と意識していることは自由なのかというと、本当に自由な人はそんなことも考えまい、とも思う。

その意味で、2022年の北海道の私は真の意味で、2020年の私よりも自由でいられたかもしれない。

 

夜ふかしと飲酒と音楽。

一生飽きない、一番好きなことに夢中でいる間に日々が過ぎる。こんなに幸せなことがあるだろうか!

 

しょうもない世の中から耳を塞ぐ悲しくて強いロックンロールも、

音楽と地球の自転そのもののような神秘のそれも、

深夜の秘密基地に訪れて鳴らすパレードも、

空気を振動させてわたしまで届くその全てが愛おしかった。

 

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羊文学の『あの街に風吹けば』という曲が良かった。

 

ハロー、ハロー!

世界はこんなにも美しいのに

目隠しするのは誰?

風よもっと吹いて

あの子を目覚めさせて

 

俺たちの目はとっくに覚めてるよ。

すっっごい眠い時もあったけど!!

 

ではまた

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